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個人が金を売買する際に発生する際の税金として、まず発生してくるのが消費税です。しかし、海外には、金の売買に消費税を課さない国も存在します。その内、有名なのは香港です。金は、世界のどの通貨に対しても同じ価値を持ちます。そのため、理論上は香港で200万円分の金を購入し、その金を日本で販売すれば220万円となり、差額である20万円分の利益が発生することになります。これは香港では金の購入のために支払った200万円に対して消費税が発生しないからです。
しかし、現実には、日本円で20万円以上の価値を持つ商品を海外で購入した場合、関税として国内の消費税と同額を支払わなくてはいけません。20万円未満の免税対象品であれば関税はかかりませんが、消費税も最大2万円となるため、小遣い稼ぎにしかならないでしょう。
また、日本円を香港ドルに両替する際の為替手数料や香港までの渡航費等も発生するため、現実に金の売買をめぐる国家間の税制の違いを利用して利益をあげるのは難しいといえます。
しかし、こうした国家による金売買時の消費税の扱い方の違いは、日本国内で金を購入し、売却する場合にはほとんど関係ないことでもあります。日本国内で金を購入・売却する個人に対して発生してくる税金で覚えておくべきこととしては、金の売却によって得た利益は譲渡所得として扱われるため、それに対して税金が発生するということです。金の購入日が売却日から数えて5年以内である場合には「短期譲渡」(取得期間が5年以内)、金の購入日が売却日から数えて5年以上遡る場合には「長期譲渡」(長期譲渡)となります。それぞれの計算式は以下の通りになります。
たとえば3年前に100万円で購入した金を120万円で売却した場合、上記の計算式を当てはめると、
120万円-(100万円+0円)-50万円
となります。
このうち、特別控除分の50万円は、他の譲渡所得と共通です。したがって、この場合は金の売却による以外の譲渡所得がなければ控除の対象となり、反対に金の売却による以外の30万円以上の譲渡所得がある場合、金の売却による20万円分の譲渡所得と合わせて、50万円の特別控除を超えた分に税金が課せられることになります。